サラーム(エチオピアの言葉でこんにちは)
またびのまさるです。
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(これはシュロという料理とインジェラ)
クレープみたいですけどよく見ると牛の小腸のセンマイにも似ています。
テフという穀物をすりつぶして、クレープのように焼き上げるのです。
一旦発酵させるからニキビ跡みたいにブツブツが見えますね。
でもこのインジェラ。
旅人にはえらく不評です。
理由は味とビジュアルがあるものを想像してしまうのですね。
そうゲロです。
インジェラ単体が酸味があってちょっと胃液風味なのです。
そしてインジェラの上に載せられた具も想像力をかきたててしまいますね。
しかも移動で利用するローカルバスは悪路で車酔いする人が続出します。
特に岩窟教会のあるラリベラからアジスアべべへの移動のバスはもう阿鼻叫喚でした。

5分ごとにゲロ袋が手渡され、窓から袋が捨てられます。
日常に溢れているのです。ゲロが。

(これはTibesティブスという肉の料理とインジェラ相当メジャーなやつです)
よりリアルに思い出してしまうのです。
だから想像したりしてはインジェラは、食べられません。
じゃあどうするか?
ただそこにあるものとして口に入れる。
想像や意味づけや味の評価や印象やそういったものを一切排除して
ただ頂くということに専念する。
どんな苦行だよと思うかもしれません。
エチオピアでインジェラを食べずに旅行することはほぼ不可能だと思います。
僕は今や
エブリデイ・インジェラ!

(これはングラといっての卵料理とインジェラ)
エブリミール・インジェラ!です!

(これはTegabinoテガビーノという豆の料理とインジェラ。びっくりしました。鳥にあげたのですが、鳥はインジェラには目向きもせず、テガビーノを啄ばんでいました。結構辛いのにね)
余計な考えを排除してありのままを受け取るっていう姿勢が僕はエチオピアのあり方のように感じました。以下解説します。
といいながら、みなさん意外といろんなインジェラ料理があって、可愛いなとか思ってきませんか。僕はエチオピアで2週間を過ぎるともう、こいつらが可愛くて仕方ありません。
エチオピアでの最初の観光はダナキルツアーです。
世界一過酷なツアーと言われています。
目の前で溶岩が見えるエルタアーレ火山(Erta Ale)、レインボーカラーのダロール火山、そして塩の湖・アサレ湖と塩の採掘場を巡るツアーです。
アジスアベベにあるETT(Ethio Travel andtours)で申込みが出来ます。同じ旅行会社がダナキルツアーの出発地メケレ(Mekele)にもありますが、僕はアジスアベベで申し込むことを薦めます。
理由1 メケレまでの早朝バスに乗る際にホテルからバスターミナルまで無料で送迎してくれる。
これは結構大きいです。エチオピアは夜行バスが禁止されていて、長距離バスの出発時間が全部5時とか6時。あたりはまだ暗いし歩くには距離があるし、危険です。タクシーを使うと200B(800円)くらいはかかります。
理由2 ETTは無料のゲストハウスを持っています。これでホテル代は浮きます。しかも個室でwi-fiもあります。僕はインフルエンザで3日も無料で使わせて貰いました。
理由3 空港からの無料送迎もある。事前にネットで申し込むと空港まで迎えに来てくれます。急ぎの人はそのままゲストハウスに泊まって翌日出発がスムーズです。アジスアベベは博物館以外見所はありません。
理由4 無料でSimカードが貰えます。300MBしかありませんが。
値段は2泊3日で300ドル
3泊4日で350ドルです。
見る場所は同じですが2泊3日は塩湖で夕日を見ながら泳ぐ時間はありません。
写真を撮って10分くらいで終わりです。
あと塩湖に行く日の出発時間が朝4:30です。3泊の人は10:00出発です。違いはそれくらいです。
最終日にメケレからアジスアベベに飛
行機で移動する人がいるため、終了時間は17時にはメケレに戻ってきます。
ランクルに4名乗車し、移動します。僕の時は韓国の旅行者とスペインの同性カップルのチームでした。後ろは狭いので助手席が最高です。ツアーのほとんどの時間が移動です。

世界一過酷なツアーと言われていますが12月は暑くないためそんなに辛くはないです。ただ溶岩に向かう時にアホみたいに早いペースで行くので注意です。

個人的にディスらせてください。
バカじゃないか!と思うんです。
夜暗闇の中、別に早く到着する必要すらないのに
バカみたいに早足で1時間歩く。
グループで一番遅い人に合わせるという登山の常識を覆している。
イキって先に進んで、まだかって感じで10分くらい先頭のキャツらは待っていて、ようやく遅れたグループが到着するとまた歩き出す。
おいおい俺たち休めちゃいないぜ!
世界一過酷なツアーを過酷にしているのは
先頭のキャツの無意味な優越感に他ならない!ったく。
星空なんか1秒も眺めている余裕無かった。
足元しか見ていない。
途中ラクダが先頭を務めた時があって、それが
最適なスピード。
ラクダはわかっている。
歩行の、そして人生の楽しみを。
その時はラクダも星空も見上げて楽しめました!
ラクダ以下の知能と感性のものに先頭は務まりませぬ。
【初日】
初日はエル・ターレ火山に行きます。(これはタイミングによって前後するみたいです)
2時間30分程歩いて火口に着く。
残念ながら噴煙で溶岩は見えず。
暗い中どうにか撮れた写真は

ただこんな火口近くに来れるのは驚きでしかありません。
日本じゃまず無理でしょう。

マスクをしていないと風向きで煙に巻かれると苦しい。
夜は火口近くで野宿して朝日をまた火口で待つ。
野宿というか、ラクダがマットレスと寝袋を運んでくれて、それに寝ます。
ラクダ、あんたはやっぱ頼りになるよな。
まあ予想どおり、やはり溶岩は見えませんでした。

でもこの煙の中の朝日もまああまり無い景色ですね。

地獄でしょうね。
例えるなら。
でもなんか「地獄の一丁目一番地」とか「地球の傷口」とかなんかそういう観光名所の表現みたいのが何もないのが不思議な光景です。
【二日目】温泉の湧く湖で入浴を兼ねて泳ぐ。

訳のわからない白い泡が浮いています。
洗剤?かと思うけれど、なんか違うようです。
温度は適温です。
【最終日】は忙しい。
レインボーの泉・ダロール火山を見る。

意外と小さいです。温泉が噴き出す音が面白い。


その後猿の惑星のロケ地

そして肌にいいと言う油が湧き出す泉。

それと塩の湖


2泊3日ツアーの人はここが一番正念場です。
10分位車で走って「塩」
でまた10分走って「塩」
でまたまた10分走って「塩」
塩地獄です。塩はもうどうでもよくなります。

塩の採掘場。塩は1ブロック10キロ。一個50円位。これを7日かけてラクダやロバで運ぶという。

塩地獄にうんざりしているのは、僕ら以上にこのロバたちだろうな。
彼ら偉いよ。微動だにせず、塩の反射でまぶしいのか目を細めている。
偉いよロバは。
観光を終えての印象は
何なんだこれは?
というのが正直な感想です。
動物も植物も生息しない場所で突然現れる景色。
例えば火口だったら山に登りそこからパックリと空いた火口を覗き込むイメージだがダナキルではほぼ平地にただ穴が空いて煙が吹き出している。

レインボーも然り、奇岩、奇石を超えた先に神々しく水をたたえている訳ではない。
平地にただ湧いている。

塩湖だってただの白い一面。

何なんだこれはとすごく戸惑った。
悪魔に喉笛とかエンジェルフォールとかなんかそういう表現もない。
ただただ見たことない世界が目の前にある。
僕はこんな風に感じました。
これは地球がゲロって吐き出した得体のしれないものをそのままほらって見せられているんじゃないかって。
地球が出した何か生々しい、見たことないものをなんの解釈もなく、神の存在すらなく、どうぞと見せられている。
ありのままの姿をありのままどうぞと見せられている。
その時に
ああインジェラだなって感じた訳です。
見た目から想像していてはダメ
目の前にあるそのものをありのまま頂く、観光させてもらう。
これがエチオピアンスタイルなんじゃないかって。
中東、ヨーロッパの旅では歴史や宗教という大きな物語の中に自然や景色も存在し、その中で理解してきたように思う。
エジプト文明とギリシャ文明の共通点だったり、

ノアの箱舟が流れ着いたアララト山だったり。

でもこのダナキルにはそういったものがない。
そして見たこともない景色が目の前でゲロっと出される。


僕にできるのはそのまま受け入れるだけである。美醜、善悪、好悪のなく眼前のものを眺めている。
また一つ新しいものの見方ができるのかも知れない。
エチオピアの夜のレストランはアホみたいに暗い。

道が凸凹で、サスペンションのいかれたバスでは嘔吐のオンパレード。でも袋を手渡しする際に開きやすいように開けて渡してくれる人がいる。

車の上で羊が紐でくくられて、もがきながら運ばれていく。

バス乗り場トイレ休憩はみんな野ション。
ひょんなところに樹齢何百年かっていう大木がある。
天然記念物にも観光スポットにもなっておらず、木陰でヤギが草を喰んでいる。

突如現れる生肉とインジェラ。

これはなんなんだ。
そう
これがエチオピア
独特なんです
でもそれを
ありのまま頂くことが
この国の観光なのかもしれません。
エチオピアの旅はまだ続きます。
またび


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