【パタゴニア・パイネ】4泊5日のWコーストレッキング 通算歩行距離100km 自然は人を成長させる 

世界一周

オラ

またびのまさるです。

前回の準備編に続き4泊5日の1回にぎゅっとまとめます。

調べていて何回かに分けている記事が多かったので。

僕のルートは

1日目(みどりのライン

プエルト・ナターレス🚌インフォメーションセンターCONAF🚌ウェルカムセンター→チレーノキャンプ場→⭐️トーレスデスパイネ→💤チレーノキャンプ場


2日目(ピンクのライン

チレーノキャンプ場→⭐️トーレスデスパイネ→💤クエルノスキャンプ場


3日目(くろのライン

クエルノスキャンプ場→💤グレイキャンプ場


4日目(あおのライン

グレイキャンプ場→③グレイ氷河💤パイネグランデ


5日目(しろのライン

パイネグランデ→②ブリタニコ展望台→パイネグランデ⛵️プデート🚌プエルトナタレス


文字にしてもさっぱりわからないですね。

地図にすると

それでもわかりづらい。

ただ3日目が通常ではないですね。

本来であれば三日目にブリタニカ展望台ですが、僕はその日の宿がグレイキャンプ場しか取れなかったため、一回素通りしてグレイに向かった次第です。そして最終日にブリタニカ展望台に行きました。

30km余計に歩きました。

ではまず1日目から

1日目 プエルト・ナターレス→パイネ国立公園→チレーノキャンプ場→トーレスデスパイネ 歩いた距離 約14km
1日目の教訓;真面目か!

朝7:30発のプエルト・ナターレス発のバスに乗る。

色んなバス会社が出ていて、往復で15000ペソ(2400円)。

2時間程でインフォメーションセンターに到着。

チケットを事前に買っていれば、ここで列に並んでチケットを買い、ビデオを見る必要もない。

事前にプエルト・ナターレスのバスターミナルで入園チケットを買っておくべし。

詳細はhttps://matabi1977.com/matabi50/

そのままバスに乗ってウェルカムセンターまで行く。

ウェルカムセンターで2度、宿泊予定とバウチャーの提示を求められます。

そしていよいよトレッキングスタートです。

すぐにトーレスホテルに着き、そこからはひたすら登りです。

初日で、食材もおやつも手付かずであるため、バックパックが重い。

バックパックで坂道、山道を登るのは想像以上に疲れますし、時間もかかります。

歩き出して早々

サバ缶の大(500g)を買うべきじゃなかったと後悔しました。

パイネ国立公園はトレッキングの道として整備されているというよりは

できる限り自然の状態を活かした形で整備している。

なので階段とかも少ないですし、もちろん砂利道もありません。

チレーノキャンプ場までは2時間程で着く予定ですが、僕は2時間30分かかってしまいました。

ここでは馬がゴミや荷物を運びます。

なのでトレッキングの道は割と馬糞だらけです。

旅行者のゴミは全て自分で持ち帰りです。(但し、パイネグランデとグレイキャンプ場で捨てられました)

チェックインして、53ドルで予約したテントに行きます。

このテントは天井も高く快適です。

そしてマットがほぼベッド同様で寝袋も暖かい。

つくづく最初の二日間は借りたテントで良かったと後々気づきます。

14時30分過ぎにトーレスデスパイネを見に行きます。

ここからがトレッキングらしい道のりです。

不思議なのは、木がみっしり生えているのに、下草が芝生のように生い茂っていること。

途中、蹄の音に驚くと馬が通過して行きます。

まさにそこのけそこのけお馬が通るの世界。

そして目の前に見えてくる雪山。

山から流れ出る清流。

まさに「おお牧場はみどり♪」の世界

雪が溶けて

川となって

山を下り

谷を走る

そんなものにいちいち足を止め、カメラを撮ってしまう。

トーレスデスパイネに近づいてくると、地面に雪が積もっている場所があり、さらに雪が舞い散ります。

これがパイネなのですね。

1日の内に四季がある。

清流で水を補充。

もちろんパイネでは水は清流から補充します。

パタゴニアではミネラルウォーターは不要です。

ようやくトーレスデスパイネに到着。

残念ながら、霧が巻いて見えず。

そしてさらに残念なのは、17時でクローズするということ。

どうせ見つからないでしょ?と思っていたらしっかりレンジャーが居て、最後の一人が帰るまで見張っていました。

なのでパイネは真面目です。当たり前か。

チレーノキャンプ場のシャワーの時間が19時までなので、急いで降ります。

下りは1時間30分程で降りて来られます。

シャワーを急いで浴びていると、急に冷水に、時計を見ると19時を1分過ぎていた。

真面目か!

ちょっとパイネは厳格です。

この後温水が出ることはありませんでした。

さらにチレーノキャンプ場の注意事項は何んと!

「ガス使用禁止!」

オイオイオイ、そのためにガス缶余計に買ってきたのに、

どうやらレストランにあるお湯はいつでも使えるので、それでできるものしか厳しいようです。

つまりチレーノキャンプ場ではパスタなどは作れない。

インスタント麺かマッシュポテトの粉の二択です。

パイネの規則遵守態度

真面目か!

これが1日目の感想

2日目 チレーノキャンプ場→トーレスデスパイネ→クエルノスキャンプ場     歩いた距離 21km
2日目の教訓 比較することから不幸が始まる またびはまたび

朝5時に起きて、トレースデスパイネの昨日のリベンジをする。

パイネとは原住民テウェルチェ族の言葉で「青」を意味する。

つまり「青の塔」という意味。

その青の塔が朝日に照らされて、「赤の塔」に変わる瞬間を見てみたいのです。

朝5時すぎに暗い中ヘッドライトを頼りに出発。

富士登山のように沢山登山者がいると思いきや、人数はそんなに多くないです。

前日に通った道なので、迷わず行けましたが、初めての場合は暗いので不安があるかもしれません。

迷った時は馬糞が割と目印になります。

7時前には到着し、朝日を待ちます。

暗闇からだんだん頂きが見えてくるグラデュエーションは幸福な時間。

日が昇るともう青い塔に変化していくのですね。

キャンプ場のチェックアウトが9時30分だったため、7時30分に下山開始。

荷物もまとめてチェックアウトしておけばよかった。

宿に戻ってクエルノス・キャンプ場に移動です。

湖に向かって下っていく道です。

バックパックを背負って12kmほど歩きます。

4〜5時間かかります。

湖が近くなるにつけ、ぬかるみが増え、風雲たけし城のように飛び石渡らないといけない場所が増えます。

バックパックを背負っての飛び石はかなりの確率で落ちます。

何度か落下し、靴を濡らして気づくのですが

ストック(杖)が必要!

膝の負担軽減だけでなく、ストックがあれば、バランスを保って飛び石を超えることができます。

僕は枝を拾って、杖代わりにしました。

結局この杖が、最後まで大切な仲間になるわけです。

道すがら、植物に目を奪われてなんども立ち止まる。

こうした自然の厳しいところに咲く植物の繊細であるけれど芯の強さに魅かれます。

砂漠の植物にも芯の強さがありますね。

でも5時間という膨大な時間の中で常に植物に目を奪われている訳ではありません。

結構、なんか色々どうしようもないことを考えています。

こんな感じ

この時は前日に会った日本人の世界一周旅行者の人のことを考えていた。

彼も僕と同じくらいの期間の11か月ほど周り、もう帰国を控えていた。

彼の旅を話を聞く。

チベットに行き、そして入れなかったラルンガルゴンパにも入り、キリマンジャロにも登り、アイスランドにも行き、そして南極にも行っている。

知っているかい?

南極のツアーは5000ドル以上(60万円)

僕と同じ期間で僕よりも多くの国そして多くの見どころを回っている。

そして彼が撮ったドローンでの映像はものすごいクオリティーが高かった。

それを観た時、僕が今まで撮りためていた縄跳びをする動画を気恥ずかしく思った。

僕の旅は彼に比べてしょぼいな。

僕は何をしていたんだろう?

比較すること

これが不幸の始まりだということはわかっている。

でも目の前で、明らかに有能さを見ると思わず比較してしまう。

劣等感ってやつは何てこう急にやってくるのだろう?

この劣等感ってやつをやっつけるの10km歩く必要があった。

考える。

今日の朝のこと。

彼も同じくトーレスデルパイネで朝日を見ていた。

そしてドローンを飛ばしていた。

彼は撮影を終えると早々に下山した。

僕は残った。

そうなんだよな。

比較する必要はないんだよ。

僕も彼も同じ時間に同じ場所にいたけれど、

感じ方、切り取り方はそれぞれ違うんだよ。

僕は彼の切り取りを凄いと思った。

でもだからといって、自分が否定される訳ではない。

彼の旅を賞賛しながら、自分の旅を語ることができる。

ただそこに劣等感っていう自分で作り出した幻影に怯えていただけなのである。

頭じゃ分かっていても、中々難しい。

この劣等感って奴を、歩きながら頭の奥底に封印していた。

比較することから不幸は始まる。

同じものなど存在しない。だから比較する必要はないのだ。

と言い聞かせる。

3日目 クエルノスキャンプ場 → パイネ・グランデ→ グレイキャンプ場    歩いた距離 23km
3日目の教訓 数は暴力だ 
クエルノスキャンプ場はその名の通り、クエルノス・デル・パイネという山の麓にあります。
クエルノスは「角」の意味
そんなに角には見えない。
クエルノスキャンプ場は、割とこじんまり。
充電がUSBのみで、それ以外はフロントに頼む必要があります。
お風呂が20時までだったけれど、僕が行った時には故障していました。
ここからイタリアーノキャンプ場までは5km。
そしてブリタニコ展望台までは10.5km。
普通はここからブリタニコ展望台を目指します。
ただ僕はこの日グレイキャンプ場まで行かないといけないので、ブリタニコ展望台は一旦スルー。
バックパックを背負っての23kmを歩きます。
前日に杖をゲットしたものの、膝の酷使でやはり痛みが出ている。
これで23km歩けるのか不安であるが、歩かないと宿がない。
急がずに、とにかく一歩一歩進む。
トレイルの道は狭い。
そこを旅人が行き違う。
でも前から来る旅人が大人数の時、道を譲り、しばらく待っていないといけない。
そんな時に感じるのが
数が多いということは、とても暴力的だってこと。
群れることで一人では成し遂げられないことをできる可能性も増えるが、それは同時に
小さき個人を踏みつける可能性もあるものだということも忘れずにいたい。
イタリアーノキャンプ場を過ぎる。
ここはバックパックが置けるので、ブリタニコ展望台に行く人はここで荷物を置いていくよう。
ここからパイネグランデのキャンプ場までは7.5km。
2時間30分です。
途中見どころはクエルノスの遠景でしょうか。
この日も天気はすぐれない。
曇天。
もともと天気予報ではこの4日間はずっと雨だったので降らないだけマシ。
2時間30分歩き、パイネグランデに到着。
嘘みたいに青い湖と宿。
本当はここで泊まりたかった。
でも仕方ない。予約できなかったから。
ここからさらに11km。
グレイキャンプ場に向かって歩く。
奥に見えるのがグレイ氷河。
キャンプ場は氷河の近くなのでひたすら歩く。
ここで悲劇が。
この展望台で強い風の中、縄跳びをしたら足を挫く。
右足の筋にピキっと激痛が走る。
こういう怪我は本当に命取りになる。
杖でかばいながらゆっくり歩く。
途中、無情にも雨が降ってきた。
雨を避けるべく急ぎ足になると、足が痛む。
いくら急いだところで、到着する時間に大差はないのだ。
土砂降りではないので、雨具とインナーのフリースで体が濡れるのは避けられる。
約4時間かかりグレイキャンプ場に到着する。
ここからがまた辛い。
雨の中テントを設営する。
ここグレイキャンプ場は自分のテントで予約したため、仕方ない。
でもこうした一つ一つの苦難が自然の中で過ごすということの経験になる。
濡れた雨具は軒下で乾かす。
このグレイキャンプ場はお湯もしっかり出るし、今までの中で一番居心地が良かった。
食堂ではみんなで歌を歌っている。
しかし夜、ものすごく冷えた。
寒くて眠れない位だ。
自前のテントでは隙間風が入り、寝袋は10℃までのタイプで役不足だ。
マサイ族から買った布を上からかけると幾分寒さが和らいだ。
今まで僕がしてきたキャンプやテントはお遊びに過ぎなかったと痛感する。
4日目 グレイキャンプ場  → グレイ氷河 →パイネ・グランデ 歩いた距離 18km
4日目の教訓  自分が悪いと思っていたことも実は悪くないと気づく
4日目。グレイキャンプ場をチャックアウトする前に、グレイ氷河を見に行く。
多くの旅のブログや人の話で
「グレイ氷河はペリートモレーノ氷河より劣るので見る必要はない」
と聞く。
でも僕はグレイ氷河を見た時に、それは間違っていると感じた。
競技が違うのだ。
ペリートモレーノ氷河は岸壁としての氷河
そしてグレイ氷河は河、流れとしての氷河
氷河がポニョみたいに一個一個押し寄せて流れている様が見える。
パイネでWサーキットをするのであれば、絶対に見た方がいいと思う。
グレイ氷河の魅力は氷河だけでなくてここに行くまでに超絶怖い吊り橋がある。
縦揺れだけならともかく横揺れもある。
そして木の板の間がちょっと空いているのがまた怖さを倍増させる。
グレイ氷河の展望台(ミラドール)は何箇所かあって、手前のミラドールを見て帰ってしまう人が多いけれど、
吊り橋を超えた展望台まで足を伸ばして方が絶対にいい。
こういう氷河のかけらもペリートモレーノ氷河ではあまり見ることができない。
氷河観光を終えて、また吊り橋を渡るのが恐怖でしかなかった。
二回目も変わらず怖かった。。。。
氷河観光を終え、テントを畳み、パイネグランデに向かう。
3.5時間ただただひたすら歩く。
そんな時、ふとずっと自分が悪かったと後悔していたことが実は過度に自分を責めていたことだと気づく。
不思議なことで、こうしてトレッキングで歩いているとふと何かに気づくことがある。
小さな悟りのようなものか。
僕は問題があった時に、何か自分に非があったのか、どうすれば良かったのかをまず考える。
それ自体は悪くないのだが、往々にして過度に自分を責める時がある。
そこの割り切りを吊り橋を渡ったことで断ち切れたのかもしれない。
5日目 パイネ・グランデ→ブリタニカ展望台→パイネ・グランデ🚤プデート🚌プエルト・ナターレス  歩いた距離 26km
5日目の教訓 40代の旅の意義は自分固め
パイネグランデはパイネのデパートのような存在。
野菜、果物,Wi-fiなんでも揃う。
ブリタニカ展望台まで往復26kmあり、帰りの船の時間も考えると朝早く出発したい。
朝5時過ぎに出発するが、バックパックの置き場がないため、屋根のある入り口のベンチ脇に置いておく。
まだ日が昇らない暗い中を歩くのもまた楽しい。
バックパックを背負っていないから体も軽い。
ついつい寄り道をしてしまう。
写真を撮ったりしているうちに空が紅く染まってきた。
山が紅くなる前にまず空や雲が紅くなる。
そのうちに山頂から紅く染まってくる。
この日に初日のトーレスデルパイネにいたらと後悔してしまう。
でも僕にもチャンスはあったのだ。
寄り道をせずに後20分早くフランセス展望台についていたら、紅く染まる山がもっと見れたはずだ
つい20分前にこの山が紅く染まっていたのだろう。
やはり朝のこの一瞬をどこで見るかはとても大切な視点だ。
またびはまんまとしくじった。
5日いて朝焼けは1日だけだったから余計悔しい。
天気が悪かった次の日の晴天は朝焼けになる確率が高いように思う。
ブリタニカ展望台は、パノラマビューといったところか。
個人的にはトーレスデルパイネ>グレイ氷河>ブリタニカ展望台かな
再びパイネグランデを目指して歩く。
結局この道を3回歩くという
それでも毎回天気や時間、光が違うだけで景色も違って見えるから楽しい。
再びのパイネグランデ
5日で100kmを歩くにしては地味なゴールだけれど、感慨深いものがある。
観光というより
毎日次の宿泊地まで歩き、パイネの変化する天気に合わせ服を調整し、痛む足をケアしながら、いかに無駄な体力を使わないかを考えて歩く。
次の休憩までの時間を待ちわびながら、残りの時間を自分に問いかける。
40になった今は旅をしながら自分を見つめているように思う。
20代、30代の頃は違ったように思う。
ここにいる俺がすごい。
こんなことできている俺がすごい。
人にない経験や非日常を自分がしたという事実が欲しかった。
勲章のように。
もしかしたら男子の20代は俺がすごいを集める時期なのかもしれない。
鳥が求愛でダンスするように、鹿が角でぶつけるように、男子は自分を誇示する季節なのかもしれない。
でも今の僕にはもうない。
自分がすごいという勲章をためても、それを人に披露しても、結局は一過性のものだってことが経験として分かったから。
だから今は自分は何を感じるのか。何に喜びを感じ、何に怒りを感じるのか。
どんなときにどんなミスをして、その原因には何があるのか。
うまく行かないときにどうするのか?どう考えるのか。
そんな事が楽しい。
だから自分探しと言われると
違うって断言したい。
悪いけど自分はもうこれなんだよね。
その自分を旅の経験の中で見つめ、試し、そして信念を固めているように思う。

だから40代の旅人に向かって自分探しっていうのはやめてほしい。
カタマラン(Catamaran)という船でプエルトナターレスに向かうバス乗り場に向かう。
30ドルかかるが、エンディングに相応しい景色が見られる。
エンドロールのように流れる山を眺めていく
湖越しもまたいい。
このブログはアルゼンチンにいた時から書いて、今日本に戻ってきてようやく書き終えた。
なんかとても書きづらかった。
多分この5日という時間の長さと、自然の厳しさ、トレッキングの大変さを自分では書ききれないし伝わらないことがわかっているからだと思う。
本当に今更ながら、
このパイネのWサーキットで僕の旅力は少し成長した。
今まで11か月何していたんだよ?って感じだけれど、バックパックの背負い方、雨の日のテントの設営、体温調整の重要性、風というとてつもない敵、いかに上下動を少なくして歩くかということなどとても学んだことが多かった。
ここからまた旅を始めたら違う旅になったように思う。
なんせ20kmを歩くことを体感として知った後では、自分の徒歩での行動範囲が全然変わってくる。
そして、また歩きながら考える事もまた楽しい。
残りの旅の予定を全てパタゴニアで過ごす事に決めたのも
パイネを経験したからだと言える。
Wサーキットオススメです。
では
またび

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